智辯和歌山が初戦敗退した3つの理由

〈第105回全国高校野球選手権和歌山大会:高野山4-2智辯和歌山〉

甲子園4度の全国制覇を誇る智辯和歌山の県大会初戦敗退は大きなニュースになった。対戦相手の高野山は春季大会初戦コールドで敗退していた。なぜ智辯和歌山は敗れたのか、理由を紐解いていく。

目次

理由①前半に生まれた焦り

1回、四球で出塁すると、送りバント、三盗、犠牲フライで智辯和歌山が鮮やかに先制。「さて、この試合何得点するのか」私もそう思っていた。

しかし2回、5番・中塚遥翔がストレートに詰まりキャッチャーフライ。6番・湯浅幸介もストレートに詰まりサードゴロ(エラーで出塁)。松嶋祥斗はセカンド好捕で4-6-3の併殺打。

3回は二つの三振を奪われ三者凡退。序盤をヒット0本で終えた。

4回、高野山が二死から二塁打と右前打で3塁2塁。後続を打ち取るもヒットも連打も高野山が先だった。

智辯和歌山の焦りを感じたのが4回裏。二つの四死球で一死3塁1塁の好機で、強打者中塚が変化球に泳がされ3-6-3の併殺打。好球必打の智辯和歌山が難しいボールに手を出して得点機を逃してしまった。

高野山先発、酒井爽が内角に投げ切り、智辯和歌山に本来の打撃をさせなかった。そして二つの併殺を完成させて守備力こそ、「あれ?いつもと違うぞ」そんな焦りを与えたように感じた。

理由②投手陣が感じた過度の重圧

二点を追う高野山、6回の攻撃。連打を許して一死3塁1塁の場面。智辯和歌山エース吉川が3番・関戸に内を意識させて外の直球で詰まらせてセカンドフライ、4番・酒井爽には見せ球よりさらに緩い勝負球でタイミングを外してセカンドゴロ。技巧派のうまさを見せた。

“智辯和歌山が負けるかも”と思わなかったのは、吉川の投球があったからだ。しかしイニングが進むにつれて吉川に重圧が襲っていたように思う。

智辯和歌山は6回、1番から始まる絶好のイニングで三者凡退。「吉川が打たれたらどうなるのだろう」そんな不安を私も感じ始めた。

7回表、ついに吉川が掴まる。一死から打ち取った打球が内野安打になると、右越二塁打、左前適時打で一点差に迫られる。どれも狙いより甘くなったボール。「自分が打たれてはいけない」と思うほど、ボールが甘くなり、勢いよく打ち抜かれた。

ここで本格派右腕・清水風太に継投するが、四球で満塁にすると制球が乱れてまさかの押し出し四球で同点。そして次打者に痛恨の押し出し死球で2-3と逆転を許した。スコア以上の勢いの違いが重苦しさを増長していた。 打線が打てない以上、投手頼みになる。ただ想像以上の重圧がかかっていたに違いない。逆境を背負えるメンタルをこのイニングでは出すことができなかった。

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